エレミヤ書1-2 ; Ⅰテモテ3

エレミヤ書

第1章

1:1ベニヤミンの地アナトテの祭司のひとりである、ヒルキヤの子エレミヤの言葉。1:2アモンの子、ユダの王ヨシヤの時、すなわちその治世の十三年に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。1:3その言葉はまたヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの時にも臨んで、ヨシヤの子、ユダの王ゼデキヤの十一年の終り、すなわちその年の五月にエルサレムの民が捕え移された時にまで及んだ。
1:4主の言葉がわたしに臨んで言う、
1:5「わたしはあなたをまだ母の胎につくらないさきに、
あなたを知り、
あなたがまだ生れないさきに、
あなたを聖別し、
あなたを立てて万国の預言者とした」。1:6その時わたしは言った、「ああ、主なる神よ、わたしはただ若者にすぎず、どのように語ってよいか知りません」。1:7しかし主はわたしに言われた、
「あなたはただ若者にすぎないと言ってはならない。
だれにでも、すべてわたしがつかわす人へ行き、
あなたに命じることをみな語らなければならない。
1:8彼らを恐れてはならない、
わたしがあなたと共にいて、
あなたを救うからである」と主は仰せられる。1:9そして主はみ手を伸べて、わたしの口につけ、主はわたしに言われた、
「見よ、わたしの言葉をあなたの口に入れた。
1:10見よ、わたしはきょう、
あなたを万民の上と、万国の上に立て、
あなたに、あるいは抜き、あるいはこわし、
あるいは滅ぼし、あるいは倒し、
あるいは建て、あるいは植えさせる」。
1:11主の言葉がまたわたしに臨んで言う、「エレミヤよ、あなたは何を見るか」。わたしは答えた、「あめんどうの枝を見ます」。1:12主はわたしに言われた、「あなたの見たとおりだ。わたしは自分の言葉を行おうとして見張っているのだ」。
1:13主の言葉がふたたびわたしに臨んで言う、「あなたは何を見るか」。わたしは答えた、「煮え立っているなべを見ます。北からこちらに向かっています」。1:14主はわたしに言われた、「災が北から起って、この地に住むすべての者の上に臨む」。1:15主は言われる、「見よ、わたしは北の国々のすべての民を呼ぶ。彼らは来て、エルサレムの門の入口と、周囲のすべての城壁、およびユダのすべての町々に向かって、おのおのその座を設ける。1:16わたしは、彼らがわたしを捨てて、すべての悪事を行ったゆえに、わたしのさばきを彼らに告げる。彼らは他の神々に香をたき、自分の手で作った物を拝したのである。1:17しかしあなたは腰に帯して立ち、わたしが命じるすべての事を彼らに告げよ。彼らを恐れてはならない。さもないと、わたしは彼らの前であなたをあわてさせる。1:18見よ、わたしはきょう、この全国と、ユダの王と、そのつかさと、その祭司と、その地の民の前に、あなたを堅き城、鉄の柱、青銅の城壁とする。1:19彼らはあなたと戦うが、あなたに勝つことはできない。わたしがあなたと共にいて、あなたを救うからである」と主は言われる。

第2章

2:1主の言葉がわたしに臨んで言う、2:2「行って、エルサレムに住む者の耳に告げよ、主はこう言われる、
わたしはあなたの若い時の純情、
花嫁の時の愛、
荒野なる、種まかぬ地で
わたしに従ったことを覚えている。
2:3イスラエルは主のために聖別されたもの、
その刈入れの初穂である。
すべてこれを食べる者は罪せられ、
災にあう」と主は言われる。
2:4ヤコブの家とイスラエルの家のすべてのやからよ、主の言葉を聞け。2:5主はこう言われる、
「あなたがたの先祖は、
わたしになんの悪い事があるのを見て、
わたしから遠ざかり、
むなしいものに従って、むなしくなったのか。
2:6彼らは言わなかった、
『われわれをエジプトの地より導き出し、
荒野なる、穴の多い荒れた地、
かわいた濃い暗黒の地、
人の通らない、人の住まない地を
通らせた主はどこにおられるか』と。
2:7わたしはあなたがたを導いて豊かな地に入れ、
その実と良い物を食べさせた。
しかしあなたがたはここにはいって、
わたしの地を汚し、
わたしの嗣業を憎むべきものとした。
2:8祭司たちは、
『主はどこにおられるか』と言わなかった。
律法を扱う者たちはわたしを知らず、
つかさたちはわたしにそむき、
預言者たちはバアルによって預言し、
益なき者に従って行った。
2:9それゆえ、わたしはなお、あなたがたと争う、
またあなたがたの子孫と争う」と主は言われる。
2:10「あなたがたはクプロの島々に渡ってみよ、
また人をケダルにつかわして、
このようなことがかつてあったかを
つまびらかに、しらべてみよ。
2:11その神を神ではない者に取り替えた国があろうか。
ところが、わたしの民はその栄光を
益なきものと取り替えた。
2:12天よ、この事を知って驚け、
おののけ、いたく恐れよ」と主は言われる。
2:13「それは、わたしの民が
二つの悪しき事を行ったからである。
すなわち生ける水の源であるわたしを捨てて、
自分で水ためを掘った。
それは、こわれた水ためで、
水を入れておくことのできないものだ。
2:14イスラエルは奴隷であるか、
家に生れたしもべであるか。
それならなぜ捕われの身となったのか。
2:15ししは彼に向かってほえ、
その声を高くあげて、彼の地を荒した。
その町々は滅びて住む人もない。
2:16メンピスとタパネスの人々もまた、
あなたのかしらの冠を砕いた。
2:17あなたの神、主があなたを道に導かれた時、
あなたは主を捨てたので、
この事があなたに及んだのではないか。
2:18あなたがナイルの水を飲もうとして、
エジプトへ行くのは何のためか。
またユフラテの水を飲もうとして、
アッスリヤへ行くのは何のためか。
2:19あなたの悪事はあなたを懲しめ、
あなたの背信はあなたを責める。
あなたが、あなたの神、主を捨てることの
悪しくかつ苦いことであるのを見て知るがよい。
わたしを恐れることがあなたのうちにないのだ」と
万軍の神、主は言われる。
2:20「あなたは久しい以前に自分のくびきを折り、
自分のなわめを断ち切って、
『わたしは仕えることをしない』と言った。
そして、すべての高い丘の上と、
すべての青木の下で、
遊女のように身をかがめた。
2:21わたしはあなたを、まったく良い種の
すぐれたぶどうの木として植えたのに、
どうしてあなたは変って、
悪い野ぶどうの木となったのか。
2:22たといソーダをもって自ら洗い、
また多くの灰汁を用いても、
あなたの悪の汚れは、なおわたしの前にある」と
主なる神は言われる。
2:23「どうしてあなたは、『わたしは汚れていない、
バアルに従わなかった』と言うことができようか。
谷の中でのあなたの行いを見るがよい。
あなたのしたことを知るがよい。
あなたは御しがたい若いらくだであって、
その道を行きつもどりつする。
2:24あなたは荒野に慣れた野の雌ろばである、
その欲情のために風にあえぐ。
その欲情をだれがとどめることができようか。
すべてこれを尋ねる者は苦労するにおよばない、
その月であればこれに会うことができる。
2:25あなたの足が、はだしにならないように、
のどが、かわかないようにせよ。
ところが、あなたは言った、『それはだめだ、
わたしは異なる国の者を愛して、
それに従って行こう』と。
2:26盗びとが捕えられて、はずかしめを受けるように、
イスラエルの家は、はずかしめを受ける。
彼らはその王も、そのつかさも、
その祭司も、その預言者もみなそのとおりである。
2:27彼らは木に向かって、
『あなたはわたしの父です』と言い、
また石に向かって、
『あなたはわたしを生んでくださった』と言う。
彼らは背をわたしに向けて、
その顔をわたしに向けない。
しかし彼らが災にあう時は、
『立って、われわれを救いたまえ』と言う。
2:28あなたが自分のために造った神々は
どこにいるのか。
あなたが災にあう時、
もし彼らがあなたを救えるなら、
立ってもらうがよい。
ユダよ、あなたの神々は、
あなたの町の数ほど多いからである。
2:29あなたがたは、なぜわたしと争うのか。
あなたがたは皆わたしにそむいている」と
主は言われる。
2:30「わたしがあなたがたの子どもたちを
打ったのはむだであった。
彼らは戒めを受けず、
あなたがたのつるぎは、
たけりたつししのように、預言者たちを滅ぼした。
2:31あなたがたこの世代の人よ、
主の言葉を聞け。
わたしはイスラエルにとって、
荒野であったであろうか。
暗黒の地であったであろうか。
それならなぜ、わたしの民は『われわれは自由だ、
もはやあなたのところへは行かない』と言うのか。
2:32おとめはその飾り物を忘れることができようか。
花嫁はその帯を忘れることができようか。
ところが、わたしの民の、
わたしを忘れた日は数えがたい。
2:33あなたは恋人を尋ねて、
いかにも巧みにその方に足を向ける。
それゆえ悪い女さえ、あなたの道を学んだ。
2:34また、あなたの着物のすそには
罪のない貧しい人の命の血がついている。
あなたは彼らが押し入るのを見たのではない。
しかも、すべてこれらの事にもかかわらず、
2:35あなたは言う、『わたしは罪がない。彼の怒りは、
決してわたしに臨むことがない』と。
あなたが『わたしは罪を犯さなかった』と
言うことによって、わたしはあなたをさばく。
2:36あなたはなぜ軽々しくさまよって、
その道を変えようとするのか。
あなたはアッスリヤに、はずかしめを受けたように、
エジプトにもまた、はずかしめを受ける。
2:37あなたはまた両手を頭に置いて、そこから出て来る。
主があなたの頼みとする者どもを捨てられたので、
あなたは彼らによって栄えることがないからだ。


Ⅰテモテ

第3章

3:1「もし人が監督の職を望むなら、それは良い仕事を願うことである」とは正しい言葉である。3:2さて、監督は、非難のない人で、ひとりの妻の夫であり、自らを制し、慎み深く、礼儀正しく、旅人をもてなし、よく教えることができ、3:3酒を好まず、乱暴でなく、寛容であって、人と争わず、金に淡泊で、3:4自分の家をよく治め、謹厳であって、子供たちを従順な者に育てている人でなければならない。3:5自分の家を治めることも心得ていない人が、どうして神の教会を預かることができようか。3:6彼はまた、信者になって間もないものであってはならない。そうであると、高慢になって、悪魔と同じ審判を受けるかも知れない。3:7さらにまた、教会外の人々にもよく思われている人でなければならない。そうでないと、そしりを受け、悪魔のわなにかかるであろう。
3:8それと同様に、執事も謹厳であって、二枚舌を使わず、大酒を飲まず、利をむさぼらず、3:9きよい良心をもって、信仰の奥義を保っていなければならない。3:10彼らはまず調べられて、不都合なことがなかったなら、それから執事の職につかすべきである。3:11女たちも、同様に謹厳で、他人をそしらず、自らを制し、すべてのことに忠実でなければならない。3:12執事はひとりの妻の夫であって、子供と自分の家とをよく治める者でなければならない。3:13執事の職をよくつとめた者は、良い地位を得、さらにキリスト・イエスを信じる信仰による、大いなる確信を得るであろう。
3:14わたしは、あなたの所にすぐ行きたいと望みながら、この手紙を書いている。3:15万一わたしが遅れる場合には、神の家でいかに生活すべきかを、あなたに知ってもらいたいからである。神の家というのは、生ける神の教会のことであって、それは真理の柱、真理の基礎なのである。3:16確かに偉大なのは、この信心の奥義である、
「キリストは肉において現れ、
霊において義とせられ、
御使たちに見られ、
諸国民の間に伝えられ、
世界の中で信じられ、
栄光のうちに天に上げられた」。


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